GUILTY or Not GUILTY

シナリオ概要

大学のサークルの同窓会で山奥のコテージに集まった探索者たちは、そこでかつての仲間と口論になり相手を殺害してしまう。たしかに彼は以前から人を追い込んでは痛めつけるのが好きな、クズのような人間ではあったのだが…。フローリングの床には血が広がり、鈍器で頭部を割られた彼はそこに横たわっている。彼に身寄りはなく、ここに来ていることを知る者も探索者たち以外にはいない。事件の痕跡を消し、死体をどこか誰にも判らない場所に捨ててしまえば、誰にも事件を知られることはない。探索者は今夜もぐっすり眠ることができるだろう──

推奨人数:2〜4人
想定プレイ時間:2時間(オンラインのテキストセッションの場合は6時間)

シナリオの時代設定は現代の日本。大学サークルの同窓会に集まった探索者が共謀して根岸を殺害してしまった所から始まるやや特殊なシナリオになる。探索者は同じ大学のサークルに所属するメンバー、またはそのOBとして作成する。どのようなサークルかは、事前にキーパーとプレイヤーで相談して任意に決めておくのがよいだろう。職業や技能は自由に選択して構わない。特に推奨される技能は〈隠す〉と〈言いくるめ〉だ。本シナリオでは探索者が肉体的あるいは社会的にロストする可能性が高い。また無事に切り抜けられたとしても、探索者は罪を背負っていかなければならない。キーパーはあらかじめ探索者にシナリオの概要を伝え、プレイヤーがシナリオに挑むスタンスの共有をはかること。



プレイヤー向け情報

このシナリオには、シナリオクリアとゲームオーバーとなる条件が存在する。キーパーはセッション開始時、探索者に次の情報を提示する。

<クリア条件>
・事件の証拠を隠滅する

<ゲームオーバー>
・全員の死亡、または正気度の全喪失
・目撃者によって、警察に通報される

また探索者が現場をそのままにして逃走した場合も、いずれ事件が明るみになり逮捕されることになることをプレイヤーに念押ししておく。ただし事件の証拠を発見されても、通報される前に相手を口封じすれば回避することもできる。処理を簡単にするため、口封じは探索者が宣言すれば自動で成功するものとしてもよい。


NPC

◆ 根岸 京介(ねぎし きょうすけ)、イゴーロナクの司祭
探索者たちと同じ大学のサークルOB。他人を精神的に追い込むのが好きなクズのような人間で、麻薬取引に手を染めていた。『グラーキの黙示録』第十二巻を読んでイゴーロナクの司祭となり彼に隷属していたが、コテージにて元恋人である灰崎に暴力を振るい、それが元で他のメンバーに殺害される。

年齢:27歳 職業:犯罪者
STR 12  CON 12  SIZ 12  INT 13  POW 6  DEX 10  APP 13  EDU 14
正気度 24  耐久力 0(既に死んでいる)

◆ 灰崎 玲(はいざき れい)、根岸の元恋人
探索者たちと同じ大学のサークルOB。魅惑的な容姿とは裏腹に自分に自信がなく、常におどおどとしており、他人の言うことは断ることが出来ない。しかしその実究極の快楽主義者であり、その苦痛と快楽を求める心がイゴーロナクを引き寄せた。セッション中、彼女が他の探索者と2人きりになった場合、その探索者に肉体的な関係を求めても良い。それに応じた者は肉体と同様に精神を堕落させて1/1D3の正気度を失うと共に、失った正気度と同じ数値分、罪状カウンターが上昇する。

年齢:25歳 職業:看護婦
STR 8  CON 9  SIZ 13   INT 11  POW 14   DEX 12  APP 17  EDU 17
正気度 0  耐久力 9
技能:目星60%、聞き耳70%、応急手当70%、信用40%、心理学50%、生物学60%、薬学70%

◆ 古田 幸三郎(ふるた こうざぶろう)
根岸を麻薬密売の容疑者として追っていた熟年の刑事。巧みな話術と卓越した推理力を持つ・・・かもしれない。キーパーの裁量で、ことある毎に「あれれ~?」とほのめかす小学生を引き連れている設定に変更しても良い。

年齢:51歳 職業:刑事
STR 9  CON 12  SIZ 11  INT 17  POW 15  DEX 9  APP 13  EDU 19
正気度 75  耐久力 12
技能:目星70%、聞き耳65%、心理学81%、追跡45%、言いくるめ40%、法律50%


罪状カウンター

本セッションでは、罪状カウンターというパラメータが存在する。罪状カウンターはセッション中、探索者が悪事に身を染めていく毎に、徐々に上昇していく。このカウンターは探索者毎に、探索者に判らないようKPが管理してもよいし、公開しながら進めても良い。罪状カウンターの初期値は0だ。罪状カウンタが一定数に達した探索者には、次のようなイベントが発生する。

4点:
探索者の頭の中に直接、ひどく恐ろしい、低い男の声が響いてくる。
「さあ、何をするべきか分かっているな」

6点:
再び頭の中に、あの声が響いてくる。
「何をしている?ぐずぐずするな。くだらないことを考えている暇はない」
そして徐々に、探索者は周りの人間が卑屈で、矮小なものに見えてくる。探索者は周りに対する怒りや欲望、負の感情を抑えられなくなってくる。

8点:
頭の中に、イライラしたような声が聞こえてくる。
「お前はのろますぎる。このクズが。私を失望させるな」
さらにあなたは一層、自分の負の感情を抑えきれなくなり、周りに当たり散らしたり、言葉または実際の暴力に走るようになる。探索者は1/1D6の正気度ポイントを失う。

10点(以降は、罪状カウンターが上昇する毎に毎回):
探索者の頭の中にはあの声が、相も変わらずこだまする。探索者は「するべき事」を知り、一時的に発狂する。効果は「6:自殺癖または殺人癖」だ。

13点:
セッション終了時、イゴーロナクに憑依される可能性がある。



導入パート

探索者たちは、同じ大学サークルのメンバー・OBだ。今夜は同じくサークルOBである根岸 京介の誘いで同窓会を開くことになり、山奥にある彼の別荘に集まっていた。しかし、そこで彼が同じサークル仲間で、自身の元恋人である灰崎 玲へふるった暴力が原因で口論となり、彼を殺害してしまったのだ。彼は以前から人を追い込んでは痛めつけるのが好きな、クズのような人間だったのだが…。今回のシナリオは、そんな場面からスタートする。

今朝から振り続ける雨音がいっそう激しくなり、時折雷鳴が聞こえてくる。リビングには男の死体が横たわり、彼の頭部から流れ出した血がフローリングの床に広がっている。室内には大きなソファ、テーブル、大型テレビ、ゴルフ用のクラブのセット等が置かれており、壁には奇妙な詩が書かれたタペストリー、周辺の地図、狩猟用の猟銃が一丁備え付けられている。また壁際の棚には彼の趣味なのであろうか、古めかしい書物や像のようなものが並べられている。

彼の殺害に使用されたのはそれらの像のうちの1つで、探索者の1人の手に血まみれの状態で握られている(1D100を振り、探索者と灰崎の中から、一番高い者を1人決める)。この像は奇妙な金属でできていて、手のひらに綺麗に歯が生えそろった口のある右手を形どっている。

● 殺人を犯してしまった探索者たちは1/1D4+1の正気度ポイントを失う。また探索者は全員、失ったSAN値と同じ点数分、罪状カウンタが上昇する。


map
<プレイヤー資料:シナリオマップ>


探索パート


証拠の隠滅

導入が終わり、いくらか状況を確認し終わると、証拠隠滅のパートにる。探索者はコテージ内を探索し、使えそうなものを探しながら証拠の隠滅を行うことが可能だ。本シナリオで証拠を隠滅する必要があるものは以下の通りとする:

・血痕
・凶器
・根岸の死体
・根岸の荷物
・根岸の車

それぞれに対して、〈隠す〉ないしは適切と思われる技能で判定を行う。成功すれば、上手く隠せたものとする(ただし血痕以外のものは、最終的に湖に沈める必要がある)。証拠隠滅行為を1つ行う毎に、探索者の罪状カウンターは1D3上昇する。キーパーは探索者の提案する証拠隠滅方法に応じ、適宜判定にボーナスを与えても良い。また、その他以下のルールに従う。

・1人で1つの証拠を完全に隠滅するには30分の時間がかかる。この時間は2人以上で協力する場合、15分に短縮される(ただし、それ以下にはならない)。
・1つの行為に対しては、1人の探索者のみが判定を行うことができる。
・行為に協力する探索者は、自分の判定を放棄することでその判定に+10%することができる。
・死体は山奥の湖に沈める必要がある。この場合「車に運ぶ」のに30分、「湖に捨てに行く」の行為に1時間の時間が必要。
・また湖に死体を運ぶためには探索者全員が同行する必要があり、時間は人数に関係なく短縮することはできない。

リビング
リビングには男の死体が横たわり、彼の頭部から流れ出した血がフローリングの床に広がっている。室内には大きなソファ、テーブル、大型テレビ、ゴルフ用のクラブのセット等が置かれており、壁には奇妙な詩が書かれたタペストリー、周辺の地図、狩猟用の猟銃が一丁備え付けられている。また壁際の棚には彼の趣味なのであろうか、古めかしい書物や像のようなものが並べられている。

根岸の死体
根岸の遺体を調べる場合は、〈目星〉ロールに成功すれば、ポケットから車のキーを発見することができる。冷たくなった死体を調べたり、動かそうとするなどの行為を行った探索者は、0/1の正気度ポイントを失い、同じ数値分の罪状カウンタが上昇する。

猟銃
探索者が望めば手に入れることができる。データはポンプ式の12ゲージ・ショットガン(クトゥルフ神話TRPG P.70)として扱う。

地図
壁に貼られた地図を詳しく見る場合、コテージから車で少し山道を進んだあたりに、水深の深い、大きな湖があることが分かる。アイデアロールに成功すると、ここならば滅多に人が来るものはなく、遺体を捨てるにはもってこいだろうと気づく。そして、アイデアロールに成功した探索者は罪状カウンタが1点上昇する。もし探索者が誰も気づかない場合は、灰崎が地図に気付き、この湖に死体を捨てようと提案する。

書物
棚の書物には海外の猟奇事件やオカルト、残虐な小説などが多く見られる。その中に1冊、探索者の目を引くものが見つかる。それは題名のない古びた手書きの綴じ本で、中身は何かの洋書を翻訳したようなものだ。シナリオ中では詳しく読む時間はないが軽く目を通せば、イゴーロナク及びこの神に従うぼろをまとったすばしっこい僕達の存在について書かれていることが分かる。

<古びた書物の概要>
イゴーロナクは地中の夜の深淵を超えた先、レンガの壁の向こう側で眠る存在である。しかしひとたびその名が読み上げられ、あるいは人目にさらされると、邪神は崇拝者や餌を求めて姿を現す。彼は邪悪な心を持つ人間を見つけ出し、彼の司祭に仕立て上げる。そしてその人間を貪り食うと、姿と魂を借りて再び地上へと帰還する。

●この本を読んでイゴーロナクに関する知識を得た探索者は、1/1D3の正気度ポイントを喪失して、〈クトゥルフ神話技能〉を1%獲得する。

脱衣所、洗面所
洗面所には手や顔を洗うための洗面台があり、棚の中には掃除用の雑巾、バケツ等がしまわれている。また風呂場には広めの浴槽があり、探索者はここを使って衣服や凶器の血を洗い流すことができるだろう。そうした行為を行う場合、探索者は1/1D3の正気度ポイントを喪失し、同じ数値分の罪状カウンタが上昇する。

キッチン
キッチンは普通のシステムキッチンだ。ここでは包丁などの刃物が入手できる。武器として使用する場合は、小型ナイフ(「クトゥルフ神話TRPG」P.70)として扱う。冷蔵庫の中には、血の滴るような生肉(この付近で捕獲された野生動物のもの)や缶詰、いくらかの野菜、水、ビール等が保存されている。

ガレージ
ガレージには、探索者と根岸の車が止められている。根岸の車を動かすには、車の鍵が必要になる(根岸の死体を調べると発見できる)。探索者が思いつかなかった場合、アイデアロールを振らせるとよい。また、目星に成功すれば薪を割るための木斧(「クトゥルフ神話TRPG」P.70)を入手できる。

客室
1部屋に2台ずつベッドが置かれていて、布団と白いシーツが用意されている。アイデアロールに成功すると、そのシーツが遺体を包むには丁度よい大きさに思える。思いついてしまった探索者は罪状カウンタが1点上昇する。他には特にめぼしいものはない。

根岸の部屋
根岸のものと思われる、かばんと大きめのキャリーケースが置かれている。かばんの中にはかなりの額の札束が詰まっており、またキャリーケースの中には根岸の着替えなど荷物が入っていている。キャリーケースを開いた探索者は目星の判定を行い、成功するとケースの底に隠し底があることに気づくことができる。探索者がその中を開けると、白い粉の袋、注射器、薬の瓶等を発見できる。ラベルを見れば、これらが麻薬の類であることが分かる。探索者が札束や薬をこっそり自分のものにするような場合には、罪状カウンタが1D4上昇する。アイデアロールに成功した探索者は、キャリーケースは見た目の割に収容量が多く、折りたためば、人ひとりくらい詰め込めるかもしれないということを思いつくことができる。このことを思いついてしまった探索者は罪状カウンタが1点上昇する。




定期イベント


イゴーロナクの従者

部屋を移動する際、または何らかの行為を行っている途中、25%の確率で巡回中のイゴーロナクの従者(「マレウス・モンストロルム」P.21)に遭遇する。ボロをまとった、奇形で目のない子どものような存在は、手のひらに開いた口を探索者に向ける。イゴーロナクの従者は探索者に対して、遭遇の度に両手のひらの口と顔の口で合計3回噛みつきを試みて、その後はそそくさと逃げていく。イゴーロナクの従者を初めて見た探索者は0/1D4の正気度ポイントを喪失する。イゴーロナクの従者の詳細は「マレウス・モンストロルム」P.21を参照のこと。能力値の数値は「マレウス・モンストロルム」P.21に記された「平均値」のうち低い方の値に準じる。


やってきた刑事

証拠隠滅パートに入り、ゲーム内時間で30分が経過したあたりで、キーパーは探索者に〈目星〉あるいは〈聞き耳〉の判定をさせる。成功すると、コテージに車で誰かが近づいてくるのに気づくことができる。この場合、探索者は車がコテージにやってくる間にもう一回だけ〈隠す〉を使用する猶予が生まれる。やってきたのは50歳前後の男性だ(NPCの古田幸三郎を参照)。古田は麻薬取引の証拠を抑えるために根岸を追っていた刑事で、今夜このコテージで取引が行われる可能性が高いと見て足を運んできたのだ。彼は根岸がこのコテージに潜んでいて、さらに麻薬の証拠もここにあると考えている。彼は玄関口で対応した探索者に刑事であると名乗り、根岸に麻薬密売の容疑がかかっていることを伝え、コテージ内を捜索しようとする。古田は探索者への質問やコテージ内の探索(〈目星〉による判定)を行い、何かに疑いを持つ度、彼の【疑惑ポイント】が上昇していく。そして一定量に達することで、彼は次のような行動に出る。

【疑惑ポイント】
0~3: コテージの状況について怪しいとは感じるものの、まだ探りを入れている段階
4~5: 古田は根岸に何かがあったのではないかと思い始め、探索者への追求を強める
6~: 古田は根岸に何かがあったことを確信し、それを探索者に追求すると共に、警察に連絡を取り始める

疑惑ポイントが6ポイント以上溜まってしまった場合、彼を止めなければ仲間の警察を呼ばれてしまいゲームオーバー扱いとなる。探索者は宣言するだけで彼を殺害して口封じをすることができるが、古田を殺害した探索者は1/1D6の正気度ポイントを失い罪状カウンタが1D10ポイント上昇する。古田は探索者への聞き込みやコテージ内の捜索を行い、最終的に技能を3~5回程度振ったところで何も見つからなければ諦めて一旦出直すといって帰っていく。古田と探索者とのやりとりは基本的にキーパーの裁量に任せられるが、以下に彼の捜査や探索者の行動に対するリアクションのパターンをいくつか示しておく。


探索者が呼び鈴に出ない
古田は「おかしいですね、誰かがいる気配はしたんですが」「ガレージに車は停まっていたんですが……」などとわざとらしく声をあげながら、彼は留守を怪しむような素振りを見せる。探索者がいつまでも応じない場合は、疑惑ポイントが+1ポイントされる。彼は何度もインターフォンを押したり、窓から覗き込もうとしながら、コテージの内部を探ろうとする。尚も探索者が応じない場合、さらに+1されていき、最終的には6まで上昇した場合は、仲間を呼ぼうと警察へ電話をかけ始める。


探索者が嘘をつく
探索者が古田に嘘をつこうとする場合、彼は探索者に対して〈心理学〉ロール(81%)を振ることができる。ただしこの時、探索者が〈言いくるめ〉のロール、あるいは〈信用〉の半分のロールに成功すれば、彼の〈心理学〉の数値を1/2にすることができる。探索者の嘘に対して〈心理学〉が成功すると、疑惑ポイントが+1されます。尚、探索者が古田を騙そうとする場合、罪状カウンターが1点上昇する。


古田の捜索
コテージ内にあがった古田は、いくつかの場所で目星(70%)での判定を行う。証拠品が隠された場所で判定に成功した場合、事件の痕跡を見つけて疑惑ポイントが+3される。また死体を発見してしまった場合は、問答無用で疑惑ポイントが6点まで上昇する。事前に証拠品や死体に対して〈隠す〉に成功していた場合、〈隠す〉の結果が目標値の1/2で成功していれば古田の〈目星〉の目標値は1/2、1/4で成功していれば1/4になる。一切隠していない場合や〈隠す〉に失敗した場合、古田の〈目星〉は自動で成功する。




クライマックス


古田が去るか、または彼を殺害した後、探索者は最後の仕上げとして死体と証拠品を湖に捨てに行くことになるだろう。車に荷物を乗せて、山道をしばらく進むと、木々がひらけた場所に広い湖が見えてくる。湖岸には少し張り出した崖があり、そこから死体と証拠品を投げ捨てることができる。投げ捨てた後、探索者全員の罪状カウンタが1D3点上昇する。

証拠品を湖に投げ捨てて一息付いたところでイベントが発生する。皆が安堵の表情を浮かべる中で灰崎が俯いているのに気づく。彼女はその表情に、うっすらと不気味な笑みを浮かべている。ここで《聞き耳》に成功すると探索者はどこかから響く低く恐ろしい「何をぐずぐずしている。やるべきことは分かっているな?」という声に気づくことができる。そして判定後、灰崎が笑い声を上げ始める。彼女は”声”に対して笑いながら「分かっている」と答えると、探索者の見る前でみるみるその美しい顔が崩れ始める。皮膚はまるで死者のように青白くくすみ、目は消失し、体中にはいくつもの大きな噛み傷が口を開けて鋭い歯をギチギチと軋ませる。そのような彼女の悍ましい変異を見た探索者は1/1D6の正気度ポイントを失う。そして彼女はどこからか取り出したナタを振り上げ、探索者に襲いかかる。

灰崎 玲、狂信者
STR 17  CON 9  SIZ 13   INT 11  POW 14   DEX 12  APP 17  EDU 17
正気度 0  耐久力 9
ダメージ・ボーナス:+1D4
武器:ナタ 50%、ダメージ1D4+2+DB
装甲:なし。ただし物理的な攻撃は最小のダメージしか与えない。
正気度喪失:0/1D6

彼女は通常の攻撃ではほとんどダメージを受けることはない。彼女を倒す方法としては、湖に突き落とす、車で轢くなどが適当だろう。彼女を撃退すると戦闘は終了する。彼女にとどめを刺した探索者は罪状カウンターが1D6ポイント上昇する。この後、探索者全員の罪状カウンターが13未満であれば、何事もなくシナリオは終了する。辺りには静寂が戻り、探索者はようやく、全て片付いたと安心できる。あとは何もかも忘れ、帰ってゆっくり眠るだけだ。探索者は2D6の正気度ポイントを獲得する。さらに古田を殺害しなかった場合は加えて1D4の正気度ポイントを獲得できる。


Yの帰還

イゴーロナクの情人を倒した後、罪状カウンターが13以上の探索者がいた場合、その探索者のうち最も罪状カウンターが高い探索者がイゴーロナクへと変異を遂げる。

そう、彼(彼女)は「やるべきこと」を知ったのだ。探索者たちは相手の身体が膨張し、衣服がひどい音をたて内側から裂けるのを目撃する。現れたそびえ立つ人影はなぜか頭部が欠けていた。そして破れた衣類をぶら下げながら、ゆっくりとした動きで両手のひらをその場にいた者たちの頭へと振り降ろす。そこには鋭い歯が並ぶ、濡れた赤い口が開いていた・・・。

● 仲間がイゴーロナクへと変異する様を目撃した探索者は、1/1D20の正気度ポイントを失う。

探索者が正面からイゴーロナクに立ち向かおうとすれば、イゴーロナクは両手に開いた口で探索者の首から上をひと呑みにする。イゴーロナクから逃れるには、車や自らの足でその場を逃げ出す必要がある。崖から湖に飛び込むこともできるだろう。キーパーは必要に応じてDEX抵抗ロールや〈幸運〉ロールを行わせてもよい。この判定に失敗した探索者には、残酷な運命が待ち受けている。逃げ延びた探索者は、やがて意識を失い病院のベッドで目を覚ますことになる。湖に飛び込んだ場合は川の辺りで発見され、車で逃げた場合は途中で事故を起こして意識を失っていたのかもしれない。やがてやってきた医師から、発見された時の状況を聞きながら、探索者は自ら体験した恐ろしい体験を思い起こす……。

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